安藤忠雄展 - 中風美術研究所 | 岐阜の美大・芸大受験予備校
Blogカテゴリー >>
2017.12.18

安藤忠雄展

来年1月28日から始まる極小美術館でのぼくの個展の息詰まるような制作と飾り付けが終わり、急に思い立って六本木の新国立美術館での、安藤忠雄展を観てきました。敷地内に特別にインスタレーションされた茨木の光の教会の同寸大のレプリカです。右のスリットから教会内に入った瞬間、薄暗い教会内の祭壇から強烈な光の十字架。

集まった人々の中心に、十字架の真反対にあるスリットから、光が射しています。十字架の真反対のスリット。
このスリットは、安藤忠雄の原案どおり、外気と素通りです。茨木の教会は、集まる信者の方々のことを考えて、冷暖房のために、ガラスが嵌められています。この写真を撮った後、スリットから手を伸ばして外の空気を触ってみました。その、外から見た光の教会です。

まず、会場に入ると、プロボクサーであった安藤忠雄が世界一周の旅に出て、ところどころで描いたスケッチが素晴らしいです。彼の色彩はとても愛情に溢れ、ドローイングのラインは知的な暖かみでひかれています。英語や中国語が出来るわけではないのに、どうして海外からのオファーが殺到してきたのかの秘密を見たような気がしました。クライアントの目の前で、ぬくもりのあるラインと美しい色彩で、頭の中のイメージを次々ドローイングで展開する。

さて、今回の素晴らしくも圧倒的な光の教会ですが、安藤忠雄展終了後、取り壊されます。とても残念ですが、これを機会に、安藤忠雄が自分の建築を新国立美術館に所蔵させようとしている、という批判の声があるそうです。それで、建築費用とも、撤去費用も安藤忠雄が自腹でもつのですが、これに対しても、そんな無駄遣いを、という声があるそうですが、かれは、自分の金をどう遣おうと勝手じゃ。と大阪弁でつぶやいたとか。

教会に入った瞬間の感動、建築の持つ力をまざまざと見せていただいた、この事実が安藤忠雄からのプレゼントだと思いました。 どうですか?最終日1日前の日曜日、めちゃめちゃ混んでいました。カタログも飛ぶように売れて、5台のレジに長蛇の列。

うれしいプレゼントは、表紙を開けると、安藤忠雄の直島プロジェクトのイラスト入り直筆サイン。これ、今回の展覧会でしか売らないそうですが、一体何部書いたのだろう。

やっぱり人間力がすごい。

挑戦

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です