岐阜市立女子短期大学での一コマ(所長日記) - 中風美術研究所 | 岐阜の美大・芸大受験予備校
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2017.06.28

岐阜市立女子短期大学での一コマ(所長日記)


今日は、デッサンの授業を岐阜市立女子短期大学で行ってきました。

中央の石膏像はミロのヴィーナスの首像です。ミロス島の小作農が、1820年に畑を耕していたところ、鍬が固いものに当たったので、掘り返してみるとドームの屋根が出てきたそうです。その屋根を開けてみると、素晴らしいヴィーナス像が安置されていた。時はイスラム教、オスマン帝国時代なので、農民はこの異教の女神像をこっそり隠しましたが、官吏に見つかり取り上げられました。

ユダヤ教からキリスト教、そしてイスラム教と全能の神はただ一つ。しかも、人間などが想像できる存在ではない、というところから、偶像崇拝は厳しく否定され、ローマ帝国が4世紀にキリスト教を国教にすると、ギリシャ、ローマ周辺の神々の像、また、絵画はことごとく破壊されました。

そこで、なんとかこの美しすぎる像を守りたいと思った人々が、地下にドームを作って安置し、隠したのでしょう。

こうして歴史の渦から守られ、今も見る人の心を打つ名作を石膏にして、デッサンし、美しいとは何かを学んでいます。

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