素描7,最終回。極小美術館からムンバイ、顛末。 - 中風美術研究所 | 岐阜の美大・芸大受験予備校
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2020.01.11

素描7,最終回。極小美術館からムンバイ、顛末。

紀元前2500年、文字の生まれた古代中国では、自然災害で、現代よりもはるかに大勢の人が亡くなっていた。天災、天=神の怒りを鎮めるために、村一番の肥えて大きい羊を供えたことから、美という文字が生まれた。美は、そうした我欲の一点の曇りもない犠牲的精神を意味するが、美術家であるはずの我々は愚かであり、金や名誉のために職業画家となって絵を描く誘惑を退けることは難しい。

しかし、口を引き締め、理想を追いかける若い美術家たちのために、長澤知明氏は揖斐郡池田町の池田山麓で極小美術館を私財を投じ無償で主宰している。彼が若い頃、今はない名古屋の桜画廊に目をかけられて彫刻家として歩む勇気を得た。展示の機会を与えることで今度は優れた若い芸術家を援け、高みに羽ばたかせてきた。

昨年初め、極小美術館で企画された僕の個展を見た韓国出身の画家に誘われ、年末に釜山国際アートフェアに出展した。1万平方㍍ある会場のど真ん中のぼくの個展ブースの隣四つがインドのブースで、ムンバイから来た出品作家らが僕の展示をとても気に入ってくれた。それがきっかけで、インド随一と言われる、ムンバイのジェハンギールアートギャラリーでの個展に選抜された。

17歳のある夜、ベッドの上で自意識が自分、国境、地球、さらに宇宙外まで広がり存在懐疑の不安を覚醒し始まった画業は、人類共通のDNAで設計された潜在意識で続けられた。人種も文化も異なる人口13億人のインドで、美は普遍であると信じてきた僕の生き方が試される。

 

↑というわけで、長い間ありがとうございました。2019年大晦日に、ジェハンギール アート ギャラリーから英語の書類が届きました。期間が今年11月の7日間、壁面総長55メートル、ぼくの作品はパネルですから、コンテナ船で運ぶのですが、その書類にしても、差し出しを見ると一月かかって我が家に到着しました。インドでは国内的にナンバーワンのギャラリーだと韓国で知り合ったインドの友人たちが言ってくれましたが、ムンバイ港からの運送、搬入、展示、搬出、また、役所の許可、タックスの申請などを考えた場合、先乗りしたとしてもすべてを7日間でおこなうことは実際には大変むずかしいことがわかり、

 

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