雑誌などの印刷物や、サイトなど、平面内をデザインする人をグラフィックデザイナーと言い、優秀な美大芸大では、テーマを出して短時間で実技入学試験を行います。その作品のことを、平面構成と言います。
さて、Sさんの平面構成ですが、まずはREALという言葉の印象から、画面上に斜めになったライン(地平線を斜めに見たのか)を引いて、その下側に世界を描きました。REALが、浮足立つものではないという解釈です。また、縺れに縺れたラインの重なりと、重みを感じさせる垂れ下がった形態を茶色を主調色にしてに描くことで、見るものの気持ちをぐっと抑えながら、触感に近づくREALな実感に近づける工夫をしています。
茶色に対する補色の青を形態のなかに使ったり、垂れた形態の一番外に明暗のグラデーションを使うことで、元来平面である画面に、何層もの前後感を出しているところが、良いです。